研究室は単なる学びの場ではなく、次世代人材を育てるコミュニティであり、研究を通じて社会課題に挑戦する場でもあります。Akagi Labでは、生命科学の面白さと可能性を伝えながら、研究室としての独自性を確立するブランディング戦略を進めています。
なぜAkagi Labのブランディングを推進する必要がるのか
大学教員による個人ブランディングは選択肢ではなく必須要素になりつつあります。以下の理由から、ブランディングの推進は必須だと考えています。
観点 | 理由 |
研究者としての自律性の確立 | 教員個人の価値が所属組織から独立して評価される傾向が強まっている |
大学全体の魅力向上 | 大学全体のブランディング戦略を補完し、人間的で具体的な魅力を伝える |
教育研究の使命達成 | 「知の創造と伝達」という使命をより効果的に達成するための戦略的アプローチ |
受験生への訴求力強化 | 組織としての大学と個々の教員の魅力を組み合わせることで、受験生や保護者に対して多角的な訴求力を持つ |
Akagi Labのブランディングの基本理念
(1) 「見える研究室」であること
研究室の壁を取り払い、私たちが何をしているのか、どんな思いで研究に取り組んでいるのかを広く知ってもらうことが重要だと考えています。大学の多くの研究室は閉鎖的になりがちですが、オープンであることで新たなつながりや機会が生まれると感じています。
(2) 大学教員としての「個」の確立
大学や学部の一部としてではなく、「Akagi Lab」という独自のアイデンティティを打ち出すことで、学生や共同研究者、ステークホルダーに対して明確なビジョンと価値観を示すことが大切だと考えています。
(3) 価値の可視化と発信
研究室での活動や教育研究が生み出す価値を明確に可視化し、積極的に発信することで、学生のキャリア形成や社会貢献の可能性を広げることを重視しています。単なる業績の発信ではなく、その先にある意義や可能性を伝えることが、真のブランド価値を高めると考えています。
具体的な戦略
(1) 研究室の可視化
様々なメディアを介して情報発信し、研究室の可視化を進めています。
メディア | 主な役割と内容 |
ウェブサイト | 研究内容の詳細説明、メンバー紹介、研究業績リスト、問い合わせ窓口など、研究室の公式情報を体系的に提供 |
X | 大学生活や研究活動のちょっとしたコツ、研究成果や論文発表、学会情報などを即時性高く発信し、学生や研究者コミュニティとの対話を促進 |
研究室の日常風景、実験の様子、メンバーの活動やラボのイベントなど、ビジュアル中心に研究室の雰囲気を伝達 | |
産業界とのネットワーク構築、人材育成に関する情報共有、社会人や専門業界とのつながり維持に活用 | |
ブログ | 研究室の月次活動報告に加え、「Beyond Akagi Lab:未来を創るキャリアストーリー」で卒業生の成長を追跡し、「#赤木紀之の学びのヒント」シリーズでは講義では伝えきれない実践的知識を高校生から教職員まで幅広い層に向けて提供 |
(2) アイデンティティの確立
研究室のロゴや独自のグッズ(Tシャツやマグカップなど)は、メンバーの一体感を醸成し、対外的にも「Akagi Lab」の存在を印象づける重要な要素です。「生命科学 x 幹細胞 x人材育成」というマインドセットの明確化や、「世界に挑む」というビジョンの発信も、Akagi Labのアイデンティティを形作る重要な要素です。
(3) Akagi Labメンバーによるコミュニティ構築
Akagi Labでは、研究室での共通体験を基盤とした「Akagi Labネットワーク」の構築を重視しています。卒業生を「コミュニティの一員」として捉え、情報発信や定期的な交流を通じてつながりを維持しています。
ラボ出身者が社会で出会った際に、初対面でも仲間意識を持ち、互いに支え合える関係性の構築を期待しています。社会の中でAkagi Lab Mindを共有するメンバーが助け合い、成長し合える「卒業後も続くつながり」の形成を目指しています。
(4) 社会貢献
研究のノウハウや知見、大学院生や若手研究者のキャリアパスなど、教育・情報コンテンツとして発信することで、研究室の枠を超えた社会貢献を目指しています。
(5) 国際連携
九州・福岡という地域に根ざしながらも、視野は世界に向けています。地域の高校生や学生に対しては、生命科学の魅力と福岡工業大学での研究の可能性を伝えることで、次世代の研究者の育成に貢献したいと考えています。
同時に、海外提携大学との連携や留学生の受け入れなど通じて、グローバルな研究コミュニティの一員としての存在感を高めています。
未来への展望
これからもAkagi Labは単なる研究室の枠を超え、科学と社会をつなぐプラットフォームとして発展させていきたいと考えています。人材育成の深化や生命科学研究の質を高めることと並行して、Akagi Labの活動成果が秘めている社会への貢献の可能性を効果的に伝えていきます。また、多くの人々に私たちの取り組む生命科学の面白さと社会的意義を感じてもらえるよう、ブランディング活動を継続的に進化させていきます。
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